園子温監督の本。


『愛のむきだし』がすごく好きで、あれを撮った監督というだけで興味があって読んだけど、もうすごく笑った!いい!好き!


p.16からの「見えないものを露出する実験」……ここでコーヒー吹いた。
園子温少年は、小学校のある日「なんで服を着て学校に行かなきゃいけないんだろう」と思いました。そしてあろうことか「実験だ!」とフルチンになって教室に入ってゆくのです。
そのあとは当然ものすごく怒られて(あたりまえだ)「じゃあチンチンだけ出して入ったらどうなるんだろう」と考え、再チャレンジします。


もうね、大物感がビンビン伝わってくる。


ルリン国際映画祭招待作品」である『自転車吐息』とか、自画撮り手法の先駆けの『俺は園子温だ!!』とか、アメリカでのホームレス生活を無事終え、帰国して初めて撮ったという『自殺サークル』とか、めちゃめちゃ観たいじゃないか。



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最後のほうに、2012年の作品『希望の国』に関する記述がある。
この映画は、原発というタブーに切り込んだ映画だそうだ。
東日本大震災から数年後、架空の街で、再び巨大地震が起こり、原発が爆発する。
原発事故に翻弄され、離れ離れになる酪農家夫婦とその息子夫婦を描いている。
老夫婦の妻は、認知症。


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…大谷直子さん演じる智恵子の口癖は、家にいながらにして「家へ帰ろう」というものです。実はこれは、認知症を少し患っている僕の母の口癖でもあります。夕方になると母があまりに「帰ろうよ」と言うので、僕は一度、彼女を車に乗せ、実家のあった場所から小学校、中学校など、彼女と関わりのある場所を回って「ここ?」と尋ねていったことがあります。それでも「ここじゃない」と言うので、「帰る先」は家でもなければ、この現実の世界のどこかでもないのだと気づきました。帰るべきは時間、それも過去の時間だったのです。夕暮れになると母はなぜか、記憶の中の世界へと帰りたがっているようでした。…(p.138)
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この智恵子が、劇中で「原発できたの?」「爆発したの!」と言うシーンがあるのだとか。
このセリフは「原発がなかったかもしれない世界」を彷彿とさせる。
そこに可能性と希望を見出す観客たち。……なのかもしれない。



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「映画の非道、映画の外道を生き抜きたい」監督だからこそ、この人の作った映画はたくさんの人を惹きつけるのだろう。
映画のことはよく分からない私であるが、『愛のむきだし』は日本の映画の中ではダントツに面白かった。これも、私が映画の作法とか文法とかを知らないせいかもしれない。でも、あれを面白くないと感じてしまうなら、そんな作法なんて知らない方がマシ。


刹那的生き方は監督の人生そのものだけど、生き急ぎすぎないでね。


こういう人がお父さんだったらちょっと嫌かもしれない(笑)。
でも、ダンナだったら最高だろうなあ。





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