女性が社会に進出した
最初の職業は ”遊女”である


売春防止法が完全施行されたのが、昭和33年の4月1日。
私の生まれるちょっと前まで、この国には「公娼制度」が存在していた。




新装版 親なるもの断崖 第1部 (ミッシィコミックス)



表紙からは想像しにくいのですが、これはかなり衝撃的なマンガです。
昭和初期の室蘭の遊郭が舞台。
青森から身売りされてきた4人の女の子の 遊郭での壮絶な毎日が描かれています。


昨日このマンガを手にしてから 引き込まれるように読みました。
お梅の哀しい人生を思うと 悔しくてやり切れなくて。
少し前の日本で実際にあった話だからこそ 心に迫るものがありました。
同じ女性として、何も知らなかったことを恥ずかしく思います。
これは是非、女性に読んでほしい。 




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軍事国家の貧しい時代。
女性の「性」が 「物」以下の扱いを受ける。
女工か 女中か 女郎か。
娘は「売り物」という世の中だった。


16歳で最年長の松恵は、遊郭に来るやいなや「初見世」に出され、あまりの絶望にその直後に首を吊った。
その妹のお梅は、11歳で自らの意思を持って水揚げする。
まだ初潮も始まっていない女の子が、まるで「何ンもかンも解ってる目」をして
「おらはもう 女郎だわ」と言う。
器量好しの武子は、幕西一の芸妓になり、富士楼も芸者置屋(おきや)も女将から奪い取ってやるという復讐心で生きている。
病気持ちで醜女の道子は、女郎のタコ部屋と言われる山羊楼にタダ同然で売られ、大衆便所と呼ばれながら日々男を相手にする。



                 
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1巻は、4人の子らが過酷な運命を生きながら お梅が身請けされるまでを。
2巻は、日鉄の財閥に縁する男性と結婚したお梅が 女の子を産んだあとが舞台となっています。



母としての感情が痛いほど分かるだけに 2巻の方が読んでて何倍も辛かったです。
特に、元女郎というだけで周囲の偏見の目にさらされ、好奇と色欲から村の男たちにつきまとわれ 挙句子どもの目の前で強姦されるシーンなどは 胸が張り裂けそうでした。


今の時代でも コンビニに堂々と成人向け雑誌が子どもも目につくような場所に平然と置かれて売られていることや、小児ポルノの規制が他の先進諸国に比べ遅れていることや、毎日のようにケータイに送られてくる、市内の子どもがこれこれこういう性的被害にあった、十分注意なされるよう…という警察からのメールを見ると、
こと日本人男性は、エロのかたまりで性欲のコントロールが効かず、女性を性の対象としてしか見ていないのではないかという気にさえなってきます。


橋下元大阪市長がかつて「(当時の戦場では)慰安制度というのが必要なのは誰だってわかる」的な発言を過去にしましたけれど、それを思い出していましたね。
日本人男性に限らず、日本の社会全体が、なぜか男の性欲に関してだけは寛容なのは何故でしょう?
集団レイプ犯を「元気があってよろしい」などと言った人もいましたし。



そんなクソみたいな男たちの中で、中島聡一のような男との約束が お梅の生きる糧になっているのは救いです。


これがあたり前だと思うな
無学でいることを
自分が女郎でいることに
疑問を持て!



聡一の言葉です。



女は、教養を身につけなければならない。男以上にそれが必要だ。


これは私がずっと確信していることです。
数十年前までは、女性というだけでモノ以下の扱いをされる世の中でした。
もしかしたら、今だって本質的には変わりないのかもしれませんが、変えなければならないのは、私たち女のほうの意識かもしれません。


…いろいろなことを考えさせられたマンガでした。





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