浜名湖のボート転覆で中1女子が死亡した事件。

もう過去のこととして忘れ去られているかもしれないが、私としてはどうも腑に落ちない。
この事件は、明らかに人災だ。一つ一つひも解いていけば、多くの問題点が浮き上がるはず。その女生徒は死なずに済んだ。多くの無知な、冷静な判断の出来ぬ人間たちによって殺された。こういう類の悲劇が二度と起こらないよう、教職者並びに合宿の現場の責任者らは、目を背けず今回の事件をちゃんと分析して対策を講じて欲しい。

現場にいた人間でなければ分からないことは、もちろんある。
波が予想以上に高くて救助のボートに掴まっているのがやっとだったとか、波の間に生徒の姿が埋もれて全員の安否の確認が視界上困難だったとか、みんなパニック状態に陥っていて誰ひとり冷静な判断ができない状態だったとか。だがね、救助されたモーターボートの上に引率していた教諭2名と生徒8名が最初に乗り、そこで定員だと言われ、モーターボートは現場を離れた。なぜ? 転覆したボートに必死でしがみついている生徒の姿を確認しているのに?しかも教諭の話によると、その時点で「4人足りない」ことを確認したのだという。(→「自分も飛び込んでいれば…」 浜名湖転覆、2教諭語る

なぜその先生は、モーターボートから自分が降りて、代わりに転覆したボートに必死でしがみついている生徒を乗せなかったんだろう?なぜ自分たちだけ先に岸へ辿り着こうとしたのだろう?定員オーバーだとしても、全員の安否を確認するまで現場を離れるべきではなかったのじゃないか?全員の顔を確認した上で、生徒を順に安全な場所へ移動させるべきではなかったのか?それとも、自分の身も危ないと判断して?・・・・・
そう、いわゆるカルネアデスの舟板。しかし法律に明るい友人もこの点については「緊急避難(刑法37条1項本文に規定)には当たらないのでは?」と言っていた。教諭には引率責任がある。自分の命が危なかったとはいえ、生徒と教諭では立場がまるで違うのだ。

ボートを転覆させた青年の家の所長の責任は必ず問われると思う。でも学校の先生はどうなんだろう?
教育委員会の責任者が謝罪して、教育委員あるいは市が賠償金を払う。校長はたぶんあと何年か働いて、たっぷり退職金をもらって辞める。現場に居た教諭はすぐさま異動になり、事件のほとぼりが冷めれば、何食わぬ顔をして教壇に立つのだろう。あの場合仕方がなかった、ああするより他に方法がなかったんだ…と自分に言い聞かせながら。


            
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学校内や学校の行事で生徒たちがどこかへ出かける時でさえ、親は安全に子どもが家に帰ってくることを常に信じて待っている。子どもの身の安全を他人にゆだねることしか出来ないもどかしさはあれど、「あの先生なら何があっても守ってくれるはず」「学校は危機管理対策を十分にしているはず」「生徒の身の安全を第一に考えてくれているはず」…と親は思っているのだ。

天候が怪しい、危険なのでは?と思ったが口に出すことが出来ずにいた教諭。
気象判断と最終的な決定のルールを知らなかったと言ってしまう校長。
こんな無責任なオトナに命預けたくはないが、悲しいかな生徒は先生を選べない。
組織としてではなく、個人個人が何かしらの形できちんと責任をとるべきではないでしょうか。
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