以前の日記(福島の子どもたち)で、「もし私が福島に住んでいたら、仕事辞めて子ども連れて即刻避難しますよ」…などと書いた。
これはまったくの本心だし、実際私はそうすると思う。
でも書いたあとで、ふと思った。
こういう風に考えられるのは、私自身仕事やキャリアにさほど重点を置かない人間で、働いているといってもマミートラックを歩いているだけの人間だからだよなぁと。



マミートラックとは:ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ・出世コースから外れた働き方。
 ・キャリアウーマンとして生きるよりも、母親として生きる道を選ぶ
  女性の生き方。
 ・母親が子育てをしながら続けられる職域。
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来月、PTAの役員会と、仕事の会議の日が重なる日があり、どちらに行くべきか考えているのだが、実は考えるまでもなく結論は出ている。
私じゃなくても成立する仕事関係の会議より、私の代わりは誰もいない、親として当然参加すべきボランティア団体であるPTAの方を「取らざるを得ない」のだ。


これはひとえに、私が職場に用意されたマミートラックに乗っかっているからに他ならない。

もしキャリアトラック側の人間だったら、私は当然会議をとる。
キャリアは戦士ですから。
PTA?知っていますけどそれが何か?って感じでしょ。実際そういう方おられます。
PTA役員依頼の電話をしたら「私のこの仕事がどれだけ忙しいか分かってますか!?」って逆ギレしたお母さんがいると聞いたことがあります。
キャリア母は、子どもを背中におぶっていようがバッタバッタと敵を斬りつけて進んで行かなくてはならないわけですから。


子どもを産んでもキャリアの道を妥協せず突き進んでいるお母さんは、正直羨ましい。
私もかつてそういう道を歩いていた時期も(ほんのわずかだが)ありました。
親や保育園やシッターなどのアウトソースを駆使して、華やかな道を一歩も外れるでないぞと自分に言い聞かせ進んでいた時期が。


でも、外れた。
もういい、と思った。



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女が男と違うところは、「長い人生の中で何回か、それまで積み上げて来たものをリセットしなくちゃいけない機会が必ず来る」ことだと思うのだ。
望む望まないにかかわらず。


適齢期が来れば周囲にそろそろ結婚をと言われ
結婚すれば、結婚=寿退社=女のシアワセみたいな空気にさらされ
それを乗り越えて仕事を続けたとしても、出産すればイヤでも仕事にブランクが生じ
子どもが熱を出せばお呼びがかかるのはいつも母親のほう。
仕事が終わらないのに保育園のお迎えの時間は迫る。
時短を取ってるからやりたくても責任ある仕事ができない。
出世コースから外れた部署に回されても 文句など言えない。
その間も子どもは やれ風疹だーおたふくだーインフルエンザだーと、病気の見本市みたいになっている。
そしてその都度会社を休み、病気の子どもと一緒に家の中に籠っていると
いったい私何してるんだろ???……と。


家族が病気になればその介護、そのうち親も年をとるから老人介護。
・・・・・ほらね。
女がキャリアをリセットする機会は、ほんといくらでもあるのだよ。


もちろんリセットを最小限にして進んで行く道はある。
でも、険しい。
だから普通の女性は、大なり小なり、何かを諦めたり巻き戻したりしながら生きていく方を選んでいる
私ももれなくそっちを選んだ。


そんな「リセット人生」だが、育児しててよく思ったのが「何年かにいっぺんどころじゃない!毎日がリセット人生だよ!」ってこと。


だって、今そこをキレイに掃除したのに5分後にはメチャクチャにされてるんだよ。赤子に(笑。
今オムツ変えてお尻拭いたと思ったら、またウンコ。オムツ変えてまたウンコ。…の繰り返し。
夜中でも3時間おきに起きてオッパイあげて、オムツ変えて、起きて、オッパイあげて…。
ごはん作って、食べさせて、片付けて、買い物行って、ごはん作って、食べて……エンドレス。


だから、女は、リセットに慣れている、とも言える。


毎日リセットしながら、もうやってらんねぇよ!と思う時、加藤登紀子さんの言葉を思い出す。
かなり探してやっと見つけたので引用します。
2005年の毎日新聞のインタビューより。


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女はこれまでも、とても短いサイクルで生きてきた。
ご飯作って食べて、洗濯してまた汚して。進歩がないように見え、若いころはウンザリしたけど、毎日作り出して毎日ゼロに戻す営みをしぶとく積み重ねたことが、今、強みになっている。
男たちは進歩したり、増やしていくことに価値を置いてきたから、定年で白紙に戻るのが辛いのでしょう。
毎日プラスマイナスゼロで生きる生活感が必要ではないかしら。
残る人生で、男性に「営む」ことを経験して欲しいな。
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そうだそうだ!
私はいろんなものをその都度諦めてきたのに、男であるオットは私ほどではない(ような気がする)。
男はリセットに慣れていない。
…私の結論。


原発だってそう。
廃止でなく「現状維持」を望むと答えている人、大体オトコでしょきっと。
白紙に戻すのがコワイんだわ。
積み上げてきたものが崩れるのがね。


そう考えると、育った土地を離れたがらないのも、女性より男性が多いのではない?
だから未だに「家を継ぐ」とか「オットの両親と同居」とか「いずれは田舎に」って話がなくならないんじゃない?
福島で、避難できずに残っている家族って、お父さんが動け(か)ないから…じゃない?
お母さんが危機を察していて逃げたいんだけど、お父さんが渋ってるとか。
何もかもリセットして南の島に移住とか、頭が柔らかくないと考えられないもんね。


‥‥なんか話がズレた。
マミートラックの話だったね。はは。



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私はこれまでの人生リセットを何回もして、仕事も何回も辞めて、家も何回も引っ越したりして生きてきた。
その結果、フットワークが軽いのはいいけれど(例えば今すぐ避難しろって言われても可能なくらい仕事や土地に執着がない)なんだかぜんぶ中途半端なまま生きているような気がするのです。


歩むべくしてマミートラックを歩んでいるけれど、仕事じゃなく母親として生きる道を選んだ?と言われたら・・・うーん。そんな大それたことでは全然ない。^^


仕事を休んでPTAの役員会には出席する。
出席するけれど、かといって、じゃあPTAで何もかも請け負って作業ができるかというと、働いているのでそれも出来ない。
私は「仕事を持っているお母さん」と周りの人に認識されていて、多くのことを(たぶん)免除されている。


仕事では、子どもがいるからといろいろ面倒なことから免除され
学校関係でも、仕事をしているからと配慮してもらい、
家庭内でも、仕事してて時間がないことを、家事の手抜きの言い訳にしている。


…………ほんっと最低な人間だなこれ。誰?あ、私ですね。すいません(苦笑)
なんでも中途半端なんですよ。
そして「いいとこ取り」です。


あーーーー。
時々こうして自分がイヤになって、もう少し両方面ともに頑張ろうと思うのだがなかなか。







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