祝島(いわいしま)って、聞いたことがありますか?
ニュースなどで聞いたことのある人も多いでしょう。私も名前だけは知っていました。

山口県上関町祝島。
瀬戸内海に浮かぶ人口約500人ほどの小さな島です。
主な産業は、漁業と農業。
島は年々過疎化し、全人口の7割が65歳以上という高齢化問題も抱えている、
そう、日本全国どこにでもあるような離島です。
そんな祝島が、なぜ今注目され、いくつものドキュメンタリー映画がここを舞台に作られているのかというと。


この祝島の対岸4キロにあたる田ノ浦に、上関原子力発電所の建設計画が持ち上がりました。
1982年のことです。

それから28年間、祝島の人たちは、原発建設に動く行政や中国電力の圧力に屈せず、今でも原発を拒み続けているのです。10億円積まれようが、周辺住民が補助金を受けとり原発誘致へと傾こうが、島民の意思は1ミリも変わっていないのです。

島のおじい、おばあが言うには
「海はカネには換えられん」
「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」


たいていの過疎村が、目の前にお金を積まれて悪魔に魂を売り渡しているこの国で、なぜ祝島の人たちは戦い続けることができるのか。彼らを突き動かしているものは何なのか。
それが知りたくて、「祝の島(ほうりのしま)」出前上映会、題して「祝の島コタツだんらんツアー」が松本で開かれるというウワサを聞きつけ、参加してきました。(→祝の島コタツだんらんツアーin信州 実行委員会


    パンフレット → 



会場は、地元の温泉旅館の一室。定員35名。
飲みもの食べ物持ち込みOK(おにぎりセットの注文もできます)畳に座っての鑑賞会。お子さん連れの方もいらして、アットホームな雰囲気でした^^
いい映画はなかなか田舎に来ることがなく、DVDにならない限りは観ることもできないという現実。
なので、こういう「出前上映」は、田舎こそありがたい!
映画の後の、みんなで輪になってお茶を飲みながらのだんらんも、出前上映会ならでは。
請負人のやっちゃんこと坂山保之さんのご苦労は計り知れず…ですが、松本で72回目というこのツアーが投げかけてくれる課題は、確実に人から人へと伝わっていると感じました。



さて、映画を観終わって感じたことをいくつか。

島のほとんどの人が漁業に携わっているから、原発に反対なのでしょう?と単純に考えていました。原発建設=漁業の崩壊=生活の崩壊だと。単純に生活を守るため、なんだよね?って。
それがちょっと違うんではないかと、映画を観て思ったわけです。

島の人たちの意識の底にあるのは「海に生かされてきた」という気持ち、なのだ。
海の恵みで暮らしてきて、山の恵みで生きてきた。自然の中でつつましく、静かに、助け合いながら海や山が与えてくれる物を享受してきた。そうやって1000年もの間、暮らしを紡いできたのだ。

10億なんてあぶく銭だ、海を汚すわけにはいかない、
子どもたちにこのキレイな海を残してやらなければ。
島民の言葉の端々から断固たる決意ってのが伝わってくる。

理屈じゃなくて、本能で自然を守ろうとしているのです。
だから、便利になる、町が活性化するという甘言なんかにビクともしない。
人間という生き物の身の丈に合った生き方を知っているのです。島の人は。
人間だけの視点でなく、今現在が良ければいいという狭い視点でもなく、孫の孫のそのまた孫の代まで、今と同じ海の姿を守っていくことが、お金より、便利より大切なことなんだと。


島の人たちの日常を、淡々と撮っている映像なのですが、それが…なんていうか観ている私の心の奥のひだにスーッと入り込んでいくような感覚になるのです。
平のおじいさんが小屋の中でお茶を飲んでるシーンとか、島で唯一の女漁師の民ちゃんが余興で文金高島田をつけ皆を楽しませた後、いつものバイクで颯爽と去っていくシーンとか、365日コタツを囲んで集まったおじい、おばあがそこで茶飲みしたり、そのまま居眠りしたり(笑)するシーンとか。
なんてことないんだけど、心に染みる。
それだけに、実力行使しようとする中国電力のマニュアル社員に向かって、身体を張ってそれを止めようとする姿が強烈に印象に残るのだ。



人間は自然に生かされているんだなァ。
未来の人たちに残したい自然の姿を想像できることは大事だなァ。
本当の豊かさって、なんなのかなァ。
・・・・・などといろいろ考えながら観てました^^



ほうりのしま。祝島。
電気を作れ、原発を作れという都会の身勝手な欲望が、遠く離れた島の近くに的を定めた。
でも、その島の人たちは、大声で「NO!!!」と叫んだ。
そして、今でも毎日、叫び続けているのです。


コタツだんらんツアーが、もしあなたの町にやってきたら、ぜひ足を運んで下さい。
祝島の闘いは、今の私たち国民全員の闘いです。
おじい、おばあに負けていられませんよ!(笑)






関連記事
スポンサーサイト


コメント

  1. ぴろせ しのび | -

    昨日

    報道ステーションで祝島のことやってましたが、両方の意見が聞かれました。やはり高齢化率が高く、お金は原発に頼っているという事実がそこにあるから、一概にダメともいえないっていう割と若い世代の人、福島があんなんでぜーーーったいだめさ!っていうご老人。

    玄海原発の町の町長も町の歳入の65%が原発からの交付金なんだって!


    過疎と高齢と密接につながってることを象徴しているようなニュースだった。

    原発のあるところはどこも本当に海がきれいなんですよね。悲しくなります。

    西にいるからこそ、祝島の方を応援します!

    ( 10:32 )

  2. ざざ | -

    ここのおじいおばあは

    ものすごいよ。そのモチベーションはいったい何!?と思うくらい。
    悲しいかな普通の人は目の前に10億積まれたらころっと寝返っちゃう。
    でも、祝島の人は違うんだって。
    とにかくね、「海を汚してはならねぇ!」という気持ちだけで28年間毎日毎日闘ってるんだって。
    海の神が祝島のおじいおばあに乗り移ってるんじゃないかと(笑)

    主催してた人の話で印象に残ったのは、祝島にはもちろん原発賛成の人もいるので「そこはすごくデリケートな話になっちゃうんですが」と前置きして、島の複雑な状況を話してくれました。
    でも映画の中でおばあが言ってました。
    「心の底は(反対派も賛成派も)同じだと思う。同じだよ」って。

    ( 07:38 )

  3. ぴろせ しのび | -

    そうだそうだ

    海は汚してはならねえ。

    原発なんて作ったらまた水難がおきますよ。
    海の神が怒りますよ。

    海があるから私たちは生きていける。

    ( 11:22 )

  4. ざざ | -

    Re: そうだそうだ

    海を汚しちまったら、回り回って自分に戻ってくるんだよって。
    みんな人間を買いかぶり過ぎ。

    ( 22:08 )

コメントの投稿

(コメントの編集・削除時に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)