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F1種は現在、雄性不稔(ゆうせいふねん)という花粉のできない突然変異の個体から作られることが多くなっている。子孫を残せないミトコンドリア異常の植物だけが、たった一粒から一万、一億、一兆、一京と無限に殖やされて、世界中の人々が食べていることを、どれだけの人が知っているだろう。子孫を作れない植物ばかり食べ続けていて、動物に異常は現れないのだろうか。タネ屋の三代目だから感じた素朴な疑問を、しばらく追究してみたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「はじめに」より p.6



「タネが危ない」野口勲著(日本経済新聞出版社)



この本を読むまで、タネには固定種と、F1種がある…ということさえ知らなかった。
そして今日本で売られている野菜のほとんどが、F1種という種苗で作られたものだということも。


【固定種】
地域で何世代にも渡って育てられ、自家採種を繰り返すことによって、その土地の環境に適応するよう遺伝的に安定していった品種。
【F1種】
エフワン=雑種第一代は、異なる品種を掛け合わせて一代目の時だけに現れる“雑種強勢”という性質を利用した改良品種。これにより野菜の生育がよくなり、メンデルの遺伝の法則により形が揃い、同時期に一斉に収穫できるようになった。大量生産・大量消費にうってつけの品種。


昔ながらの固定種の良いところは、味が良い、自家採種できる、多様性・環境適応力がある、長期収穫できる(家庭菜園向き)、さまざまな病気に耐病性を持つ個体がある、など。

比べてF1種の良いところは、揃いが良い(出荷に有利)、毎年タネが売れる(メーカーの利益)、生育が早く収穫後の日持ちが良い、特定の病害に耐病性をつけやすい、特定の形質を導入しやすいなどである。


              radi1.jpg


今、流通している野菜のうち、家庭で調理されているのは3割を切っているそうだ。
ということは、残りの7割強…つまりほとんどの野菜は外食や中食の素材として使われている。
これが何を意味するか?

外食・中食産業の野菜に対する要求は、「味付けは我々がやるから、味のない野菜を作ってくれ。また、ゴミが出ず、菌体量の少ない野菜を供給してくれ」(p.70)ということだそうだ。

形が揃っていて、大量に入手できて、味がない野菜は、メーカーの機械調理に適しているというワケ。
味付けなんか調味料や添加物で何とでも出来るということなんだろう。

しかし問題は、そうして作られた野菜だと著者は警告する。


             illust3.gif
       

F1というタネの作り方は、自然の摂理に反したものだ。
自家受粉をしないよう「除雄」という雄しべを無理やり取り除くやり方(雌しべが受精可能な状態になる前のつぼみの時に、そのつぼみを無理やり開いて雄しべを全部引っこ抜く!)、アブラナ科植物の「自家不和合性」という性質を逆手に取ったやり方、さらにハウスを密閉して二酸化炭素を送り込むやり方、そして現在用いられている「雄性不捻」を使ったやり方。

雄性不捻というのは、植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることをいう。
雄しべが退化しているから、わざわざ引っこ抜く必要がない。
まことに都合のいい突然変異なのだ。


しかし、雄性不捻はミトコンドリア遺伝子の異常が原因ということが分かった。
人間の男性不妊症や動物の不妊も、このミトコンドリア異常が原因だと言われている。

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ミトコンドリアが傷つくことによって、動物も植物も子孫を作る能力がなくなってしまう。ミトコンドリア遺伝子の異常を起こした植物が雄性不捻のF1になった。我々はそのF1野菜を食べている。我々は日常的に、生殖能力を失った、ミトコンドリア異常の野菜を食べている。玉ネギのミトコンドリアは玉ネギ全体の重さの一割を占める。玉ネギの異常遺伝子は脈々と受け継がれていくのである。(p.110)
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自然というのは本来の姿に戻ろうとするので、時々、雄性不捻の花の中に雄しべをつけた正常な花が咲くこともあるのだという。
しかし種苗会社は、そんな正常な花を見つけては抜いて捨ててしまう。
子孫を増やそうとする正常な花は捨てられ、人間に都合のいい遺伝子異常の野菜だけが市場に出回る。
こういう野菜を食べ続けていて、本当に大丈夫なのだろうか?


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著者はあくまでも仮説だと前置きした上で、雄性不捻の受粉に大量のミツバチが使用されることと、2007年に発生したミツバチ大量失踪のなぞや、その後続々と報道されるようになった卵を産まなくなった女王バチの存在とを関係づけて考察している。

確証はないが、十分考えられる。
そのあたりは第5章(p.140あたり)に詳しく書かれているのでぜひ一読を。
ただ一つ言えることは、ミツバチに異常が現れて、人間に現れないという確証は どこにもないということだ。



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この本を読みながら、思い出していた。
ノルウェー領の島にあるスバールバル国際種子貯蔵庫、通称「種子バンク」
最大300万種の種子を保存できると言われる要塞のような巨大施設。


この施設の表向きの目的はこうだ。
地球上で大規模の災害や作物の病気の蔓延、あるいは核戦争などが起こった場合に備えて、地球上のあらゆる種子を保存し、必要とあればそれを使って栽培を開始し、人類の食料危機を回避するため。
「種子の箱船計画」…なんだそう。
「地球最後の日のための種子」を守り続けるための計画。
ちょっとしたSF小説のようだ。でもこれは現実。
一見 壮大かつ素晴らしいプロジェクトのように見える。
が、この話を初め聞いた時私は、何となくうさん臭いと感じてしまった。
その理由が、この本に書かれていることと、あちこちでリンクする。


種子バンクは「遺伝子組み換え種子以外の種子は、すべて受納される」らしい。

そして「最後の審判の日」種子バンクの寄贈者及び企業はこちら
   ↓ ↓ ↓

・ビル&メリンダ・ゲイツ財団
・ロックフェラー
・モンサント社
・シンジェンタ社

…アヤシイ。怪しすぎる。
だってモンサントとシンジェンタ社は、遺伝子組み換えの開発・世界中の市場への導入を率先してやってきた企業。ビル・ゲイツさんについては言わずもがな。

それについては詳しく書かれたこの記事を↓

ゲイツ、ロックフェラーの人口削減計画と北極の種子バンク
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-1050.html

(情報元:カレイドスコープ)

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人口削減が終ったら、北極圏の種子バンクから原種の種子を取り出してきて、再び農業を復活させるはずです。自分たちのために。

ですので、モンサント社のような企業は、軍産複合体の新しい形なのです。それは火薬も使わないし、核も必要ないのです。
武器は自殺種子と農薬です。

そして、対象は世界中の人々です。
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      line17.gif


なんだか絶望的な話ばかりでイヤになるので、前向きに考えていこう。
私たちはでは、どうすればいいのか。

野口さんいわく「固定種の野菜を栽培して、自分でタネを採ること」
うわぁー大変だー。私にできるかしら?
 

年間を通してもめったに外食をしない私。
家で調理したものは美味しいし安全だと単純に信じてきた。
でも、喜んで買っていた野菜が そもそもF1種で作られた野菜だったわけです。
野菜を買う時に、産地は気にしていたけれど、その種類までは気にしたことがないし、スーパーでも市場でもよほどのものでない限り品種名までは書いてない。
キュウリを買う時にいちいち
「これはシャープ三◯一ですか?それとも相模半白ですか?聖護院青長節成ですか?」
と聞く人はいない(苦笑)。

でもこれからは、少し気を引き締めてタネから選んでいかないといけないってことですね。
(畑に植えるタネを選ぶ際、何となくホームセンターで売っているタネに食指が動かなかったのは、この本に出会うためだったのかもしれない)


               illust11.gif


最後になったが、この情報も重要だと思ったので加えておく。

アメリカでは、上院510法案「食品安全近代化法」 (Food Safety Modernization Act)という危険な法案が可決された。
家庭菜園でレタスを作り、地元の直売所で売っただけで重罪犯人として逮捕される。
また、タネを採ってそれを貯蔵しただけでも犯罪。
もちろんこの法案はモンサントなどの悪徳企業に種子を独占させるための法律です。
詳しくはこちらの記事を↓

激しい抗議にもかかわらず、食品安全近代化法が上院で可決
http://tamekiyo.com/documents/healthranger/510passed.php

(情報元:Beyond 5 senses,tamekiyo.com)


「食品安全近代化法」で検索すると、いろいろ出てきます。
例によって日本のマスコミはやはり報道していない。



そのうち日本でもレタスを作ったために牢屋に入れられる…なんて日が来るかもしれない。
ホンモノの食物を自分で栽培できるうちに、そして固定種のタネを採種できるうちに、全国にそれを広めて、F1種で作られた野菜にNO!と言っていく。

利便性と企業の利益のために、自然の法則に手を入れてきた罰は甘んじて受けよう。
これからは小規模農家を助け、地元の伝統野菜を食べる。
形の不揃いな、色の薄い野菜を選ぶ。
小さな家庭菜園で、あるいはベランダで、伝統野菜を育ててみる。
これなら誰にでもできること。
命を粗末にしない。
タネは命をつむぐものだから・・・・・。









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