38年前の今日、核燃料プラントでの不正行為を告発した労組活動家カレン・シルクウッドは、ニューヨーク・タイムズの記者に会うために車でオクラホマ・シティーへ向かう途中、道路脇の排水溝に突っ込み、謎の死を遂げた。
28歳だった。


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死後の解剖で、カレンの体内からは通常使用される量の2倍の睡眠薬が検出された。そのため警察は、典型的な居眠り運転による事故死と発表した。


詳しくはこちら↓を。
実物のカレンと大破した車、事故現場の写真もあります。
原発によって消されたシルクウッド、その物語
http://nagiwinds.blogspot.jp/2012/01/blog-post_5305.html

(情報元:二本松の子ども達 福島原発・放射線の現場から)


このカレンの死には、数多くの謎があります。


まず、ニューヨーク・タイムズの記者に渡るはずだった証拠書類の束が、車内から跡形もなく消えていたこと。
衝突事故にもかかわらず、車のうしろには、追突されたようなキズが発見されたこと。
道路には、カレンの車のスリップ跡も残っており、車が追突された後、彼女が必死になって道路へ戻ろうとしたことがうかがえました。
生前のカレンは、車でどんな小さな事故も起こしたことはありませんでした。


しかし、もっと恐ろしいのは、彼女の体がプルトニウムによる不審かつ深刻な汚染を受けていたことです。
事故の一週間前、カレンは、自分の体が通常の法定基準の400倍に達するプルトニウムで汚染されていることを知りました。
カレンの体から検出されたプルトニウム(Pu)は、彼女が4ヶ月も触れることのできない部署のものであったこと、仕事中にカレンがはめていたグローブの外側にはPuが付着していたが、グローブ自体には穴や損傷は見られなかったこと、などから、汚染が工場内ではなく、他の場所に由来することが考えられました。
そして、カレンの住む家のバスルームと冷蔵庫から、Puの痕跡が見つかります。
(確か、冷蔵庫内の食べ残しのハムからも高い量が検出されたとどこかに書いてありました。)


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カレンは、気づいていたのでしょう。
自分が何者かに狙われているということを。
彼女の口にするものにPuなり睡眠薬なりを混入することは、当時は容易いことだったに違いありません。
工場の管理が甘く、プルトニウム・ペレットを持ち出すことは、誰にでもできたと言われています。


しかしカー・マギ―社の言い分はこうでした。
「会社にネガティブなイメージを与えるために、彼女が自分自身を汚染した」
カレン・シルクウッド
http://ja.wikipedia.org/wiki/カレン・シルクウッド



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車の事故がなくても、遅かれ早かれカレンは死んでいただろうと言われています。
それほどの汚染でした。
彼女の遺体は、カー・マギー社の指示により、あの(悪名高き)ロスアラモス研究所に空輸されました。
その後彼女がどうなったか、あまりに悲しくてここには書けません。
カレンの両親は、娘の遺体を受け取ることすら許されませんでした。


未来ある若い労働者を葬ってまで、原発を推進しなければいけない理由が、私の中で未だに見つかりません。
離婚はしていましたが、カレンには3人の小さな子どももいたのです。
同じ労働者の健康管理の改善と、会社を正しい方向に導こうとしていた彼女が、今こそ公衆に訴える時だと決断し、人生を賭けた告発をしに行くために車に乗り込む直前に、多量の睡眠薬を飲むでしょうか。



裁判の証人喚問に立つはずの関係者が次々に謎の死を遂げていることもあり、当時この事件はアメリカで大きく報道されました。


この事件を元にした「SILKWOOD」という映画があります。
主演はメリル・ストリープ。演出は名匠マイク・ニコルス。


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仕事の部屋から出る時に、出口にある放射線量チェック機器に手をかざして退出するというルールになっていて、何事もなければそのまま出られるが、放射能に汚染されていると、けたたましい警告音が鳴り響きます。
その警告音は、始めは彼女から遠く離れたところで鳴っていたのが、映画が進むにつれ、徐々に彼女に近づいてきます。メリル・ストリープ演じるシルクウッドが会社から阻害され始めると、彼女が手をかざす度に警報音が鳴り響き、その回数が次第に増えていく。
静かな淡々とした映像の中でその警報音だけが、ものすごく怖かった・・・と、どのレビューにも書いてありました。


こういうのを映画にしてしまうのは、さすがアメリカだと思います。
(日本では先日、東北出身の反原発映画の製作を予定していた映画監督が交通事故で亡くなりましたよね確か。今ちょっと頭をよぎったので)
どちらにしろこの「シルクウッド」という映画。かなりの良作らしいので、いつか必ず観たいと思っています。
(観てないんかいっ!)





追記:映画『シルクウッド』を観た感想は、こちらに書きました↓
「映画『シルクウッド』とあさこはうすへの手紙No.11」



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