書評を見て手にした本。
内容は、タイトルそのまんま。

田舎暮らし賛美の本や雑誌や番組は数多くあるけれど、これほど田舎暮らしの「イヤなところ」だけを書き連ねた本は、見たことないです(苦笑)。
でもある意味、これが「本当の田舎の姿」なのかもしれません。

7年前トーキョーから信州へ、田舎暮らしに夢を持ち移住してきた私からすると、「うんうん分かる分かる!」というようなことばかり。(しかも著者も長野在住だそう)
悪い意味ばかりじゃなくて、そうそうこういう所ってあるよねー的な。
とても興味深く読みました。
手製の槍の使い方のくだりあたりは、声を出して笑ってしまいましたよ。
あでも、田舎暮らしに憧れていた頃に読まなくて本当によかったです。^^


『田舎暮らしに殺されない法』丸山健二著(朝日新聞出版
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澄んだ空気と豊かな自然。
田舎暮らしを夢見ている者が求めてやまないものが、そこにはあります。
私など、雪山が見える環境ってのはスゴイことなんだよと、よく地元の子に言うのですが、生まれた時から見ている風景というのは、さほどありがたみを感じないようです。
それよりディズニーランドとかスカイツリーとか、テレビで見るネオンきらめく大都会の風景に憧れているんですね。
んなの人工物ばっかりじゃないかと思うんですがね。
面白いものです。


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ある程度は論理的な言動が通用する都会に生まれ、そこで育ったあなたにはまったく理解しがたいことでしょうが、田舎においては、健康はむろん、ときには命さえも引き換えにできるような凄まじい価値観が進行している場合があるのです。
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田舎は貧しい。
多少不便でも収入が少なくても、慎ましく自然とともに生きられればそれでいいじゃないかというのは、都会人のエゴです。
たとえそれがどんなに危険であろうと、ひとたび企業からの恩恵に味をしめてしまうと、住民たちの生活意識はたちまちのうちに悪い方向へ転がり落ちていく。
それが田舎のもっとも恐ろしいところです。
・・・・・何か思い出しませんか?

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…危ない工場や業者を吸い寄せ、そのおこぼれによって食いつないでゆこうという、今が良ければ将来などどうなってもいいという、あまりにも刹那的な、未来なき発想が堂々と罷り通って、それに正面切って異を唱える者は、都市部とは比較にならないほど少ないのです。ときには皆無ということもあります。(p.64)
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今が良ければ将来どうなってもいい・・・?
やはり思い出すのは、1983年「原発講演会」での高木孝一前敦賀市長の演説です。

「50年後に生まれる子どもが全部カタワになっても構わない」
http://www.yochomachi.com/2011/04/blog-post.html



風光明媚なアナタの住む村に、ある日突然、産廃処理場建設の話が持ち上がる。
アナタの家の隣りに、いきなり古タイヤの山ができる。
不法投棄のゴミが投げ込まれる。
美しい小川に、予告もなしに化学工場の廃液が流される。
アナタと家族が楽しむ海辺に、新しく原発が建設される。・・・


田舎においては、こんなことは少しも珍しいことではありません。
悲しいですが、それが現実です。
反対の声を上げる人はあっても、田舎ではその声はかき消されてしまうのです。
でなければ貧しい田舎にあれほどの数の原子力発電所が乱立されるはずがありませんから。


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「田舎は犯罪の巣窟である」という章。

しばらく外国に居てから日本に帰ってきた時に、まず驚いたのが「なんでみんなこんなに無防備なの〜」ということでした。
人混みでは、リュックは体の前に回す!
財布は持ち歩かない!ウェストポーチはNG!・・・これ基本!
なのに、財布が見えてるいかにも高価そうなバッグをソファに置いたまま席を外す人を見て、なんだかんだ言っても日本は平和だな〜と思ったものです。


東京にいた頃は、さすがの私の危機管理能力も少し薄れるような感はあったのですが、その野生の勘がふたたび目覚めたのが、こちらに来てからのことでした。
「田舎はけっこう危ない」とは聞いていました。
確かに悪人にとっては、都会よりこちらの方が仕事がやり易いでしょう。
まず人の目がない、無防備、ケーサツがすぐ来ない…の3拍子揃っているんですもの。


私の住んでいるトカイナカ(田舎というほど田舎ではないという意味)でも、けっこう車上荒らしが盛んです。
いい車は狙われやすいので、斎藤令介さんの「田園生活の教科書」(そう言えばこれも割と辛口の田舎入門書でした)に書いてあったようにボロ車をいつも汚くして乗っていますw


田舎の人は「都会は怖い」とよく言うのだけれど、私にしてみれば、田舎のほうが緊張します。^^
東京の下町なんかは、意外と隣近所同士のつきあいが深いので、怪しい人がウロウロしてればすぐ分かりますから。
アフリカよりヨーロッパの方が怖かった…というのと似てるかな。
イスラムの国より、キリスト教の国のほうが危険度は高いとも。


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それでも、田舎に来ることを諦めないで欲しいと私は思います。
だって田舎の古い体質を変えていけるのは、新しい人たちだけですから。


松本に初めて来たとき、いきなり前の住人の使用したプロパンガス代を上乗せして請求され、ビックリしたことがあります。
それをガス屋に指摘したところ、ずっとそうやってきたので気づかなかった、勉強になりましたと言われました。
そういう小さな「オカシイ」こと、実はいっぱいあります(苦笑)。


それでもいちいちブチ切れずに、オカシイことはオカシイと言っていかないと、田舎の常識はなかなか覆りません。
もしそこを第2の故郷にしたいなら、新しい人が声を上げるしかないのです。
だって、原子力安全委員会でおエライ人たちは「福井県民はB級国民だ」なんて言ってバカにしてんですよ
もし長野をそんな風に言われたら、ワタクシ暴れますことよ? (╬◣д◢)ムキー!!


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私が信州に来てもうすぐ7年、この家に住んで5年経ちますが、今でも我が家は「新しく来た人」です。
おそらくあと30年住もうが40年住もうが、私はいつまでたっても「よそから来た人」なのでしょう。
それはきっとどこへ行っても同じこと。
そういう意味では東京は居心地はいいけれど、田舎の煩わしさもひっくるめて楽しんじゃおう!って精神で、ぜひ田舎暮らしをおススメします♪



最後に、本の装丁もステキ。好きだなぁこういう感じ。
電子ブックでは味わえない優れた工芸品として観賞の価値あり。
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コメント

  1. ぴろせ しのび | -

    私も

    毎日富士山を見て育ったので、特別感がありませんでした。
    長野に住んであのアルプスのきれいなこと!富士山より感動したのと、長野を離れるまで何回見ても感動したのを覚えております。

    長野行きたーい。

    ( 14:52 )

  2. ざざ | -

    >ぴさま♪

    アルプスはS級ですよね。
    大人になってから見たもののほうが感動が大きいってどおゆうコト!?

    でも実家に帰るときに富士山が見えてくると、うわぁ〜と思います。
    できれば噴火などせずあの美しいお姿を保持していただきたいな、と。

    長野ねー。いいんですかねー。(苦笑)

    ( 18:26 )

  3. ざざ | -

    >拍手鍵コメさま♪

    長野、いいんですかねー・・・に他意はありませんよ!(汗)
    長野は大好きですi-203

    毎朝通勤途中に見えるアルプスの山々にうっとりしてしまうんですけど、ジモティの子たちってばあの素晴らしさが分かんないんですよ。どう思います?

    できればもうちょっとのどかな地域(住宅街ではなく)に住んで、広い庭の一角に畑を作るのが夢です♡

    窓からはアルプスの雪山が見えて、家の中はダウンジャケットを着なくてもいいくらい暖かくて、毛のふさふさした忠実な大型犬を飼い、地域住民は古き良き農村時代を絵に描いたような気だてのいい人ばっかりで、頭の固い頑固なジジイはいなくて、おばあちゃんが時々新鮮な野菜をくれて、ガスや水道も安くて、もちろん家賃はタダ同然で、環境意識の高い村長がいて、若い母親が長老たちにお酌をするためだけに地域の親睦会に呼ばれることもなく、子どもを宝とし、年寄りは自立し、教育水準が高く、原発の電気は使わず、自民党がハバを利かせてなくて、住民の投票率が100%……っていうところを今、探してまーす♪

    ( 18:15 )

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