台風26号、松本はさほど大きな被害もなく済んだ。
私が家を出る時には小雨ていどだったが、なぜか小学校からは、登校を3時間遅らせるようにとの一斉メールが。
学童からは昨夜のうちに「希望する家庭は7時半から子どもを預かりますよー」というお知らせをもらっていたので、本当に助かった。かゆい所に手が届く学童は、いつだって働く母の味方だ。



tobita_convert_20131015213215.jpg読後感の悪い本、というのがある。

小説は読まないのでノンフィクションに限るが、私の場合、読んでいて苦しくなってくるのは決まって、子どもが虐げられている内容の本と、女性の性が売り物にされている内容の本。
この本はタイトルどおり、もちろん後者。


『さいごの色街 飛田』

井上理津子
筑摩書房 2011-10-25


だったら読まなきゃいいのにな!
でも苦しい現実に目を背けてばかりじゃいけないと、自分を奮い立たせて読んでおるのです。立派だな!あたし。


飛田(とびた)という所が大阪にあるらしい。
160軒ほどの料亭があり、どの料亭にも、経営者、おねえさん、おばちゃんという3種類の人間がいる。
おばちゃんが「にいちゃん、遊んでってや」と声かける。
おばちゃんに声をかけられたお客は、料亭の中に入り、座っているおねえさん(ホステスさん)と飲み物を飲む。
そして、2階のホステスさんの個室に上がり、そこでなぜか二人は決まって恋におちる。
恋におちた二人がそこでセックスまでいったとしても、それは「売春」ではない。
お客が払うのは、あくまでも飲み物や料理の代金なのだ。

・・・・・とまぁ、表向きはそういう風になっておる。
flowerboy.gif


「取材拒否の町」「ノー・ピクチャーの町」
やってはいけないとこを地域ぐるみでやっている。
でも誰もそれをとがめない。警察も放置。
逆にそれ(違法)を言っちゃおしまいだよ!KYだよ!…という無言の圧力がこの飛田という町全体にある、、、らしい。


・・・これ、昭和の話じゃないですよ。
東南アジアのどこかの国の話でもありゃーせん。
れっきとした、現代の、法治国家ニッポンでの話。



普通の女の子が娼婦になる理由。

家の貧困を救うために。
夫亡き後、子どもを食べさせるために。
父の遺した借金を返すために。
エトセトラ、エトセトラ。


「借金で死ぬこと思ったら、誰とでもセックスくらいできるって」「女に性欲ないて言うのウソですよ」「割り切れれば、いいとこや」「貧しい女の子とその家族を、わしらが救ってやってきた
…すべて、親方や曳き子(おばちゃん)、経営者側のことば。


今日の米にも事欠く家主に、「娘買い」のプロ・女衒(ぜげん)が話を持ちかける。
娘には、体を売る仕事だとは、決して口にしないのだという。いい着物を着て、いい暮らしができる。2、3年でたくさんのお土産を持って故郷に帰れる…。

が実際は、何年かだけのつもりで働き始めても、なんだかんだと搾り取られて、一生そこから出られない。
住めば天国、出たら地獄。
それが、飛田。



女に性欲があろうがなかろうが、
親の借金があろうがなかろうが、
体を売らせる仕事しかないわけがなかろうが


女の子がみんなそれを望んでいるとでも?
ま、そうとしたって本当にかわいそうと思うなら、他にいくらでも救済方法があるはずなのに。



必要悪?
確かそんなこと言ってた知事がいましたね。
沖縄にいるアメリカの司令官に、もっと風俗を利用しろとか何とか。
性的なエネルギーを合法的に解消できる場所は日本にはあるわけだから…とか言ったよね確か。
ははーん。
それって暗にこういう飛田みたいなところを指していたのかな。
この方、飛田新地の顧問弁護士だったそうだから(爆)
そう考えると、一連の慰安婦発言などは、飛田の経営者側の視点とまるで同じ。納得がいきますわね。




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人間女と生まれ来て/夫一人と定めしが/一夜一夜と変る人/書生さんや職人さんや/兵隊さんや馬丁まで/気ままに我がままされる時/もう死すると覚悟で/死すると此の身は厭はねど/里に残りし両(ふ)た親の/お側で死するは厭はねど/まして苦界の犬死で/死したと思へば恨めしや…  (p.110)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上は「娼婦の作りし哀歌」。


著者の井上さんも、飛田の女の子数十人に話を聞いたが「自由意志で入った女性など一人もいなかった」…と答えている。



15.gif



玄関先、女の子は左右と前から白熱灯で照らされる。
肉屋が、牛肉の赤身を美しく見せる手法と同じ。


30分1万円。(今は15分1万5千円とか) できるだけ「延長」を取らせること。
ふう(コンドーム)は使うな。する前にまさぐって病気がないか調べろ。
HIVなんか気にしてたらこの商売できひん。ちゃんと1回ずつ洗ったら大丈夫。ほら、そこの和式トイレの中に蛇口から伸びてるホース。その先を◯に突っ込んで水で洗え。(しかもホースは共同


7655.jpg


生理休暇は3日だけ。売れっ子は毎月22、23、24日に固定。(ピルで生理を調整させる)
客の支払金をごまかそうものなら、ボッコボコにすっぞ。

そして、ある程度儲けさせ、贅沢にお金を使わせる。ホストクラブも覚えさせる。
そこで借金作って首が回らんようにして、使えなくなるまで縛りつけて稼がせる。



・・・なんかあたし、勢いづいてスゴイ単語並べてるような気がする(苦笑)。
しっかしこれが本当なら、飛田の料亭はワ◯ミ以上のブラックだわ。


ゴムつけないなんて、、、、絶句。
病気になっても誰も責任とってくれないよ?
途中何度も「これが小説だったらいいのに…」と思った。
でも、現実なんだよね。

もしロンリープラネット日本版が出ていたら、この飛田新地は、アムステルダムの飾り窓のような観光名所になっていたでしょうね。(もうすでに物見遊山の外国人が訪れているという情報もあるが)


女の子たちが飛田以外にも生きていける所は、たぶんいっぱいある。
ないように思わせられてるだけ。


女は若いうちから勉強して、勉強し続けて、ある程度の知性を身につける必要がある…ってのが私の持論なんだけど、教育ってやっぱり大事だ。
特に女性には。・・・こういう本読むと、切実に感じる。


買春は、いい加減この世からなくなって欲しいものであるが、
中身は貧困ビジネスそのものなので、飛田でなくとも形を変えつつ、普通の人が知らないところで永遠に存在し続けるような気がする。


なんだか滅入った。
だから今夜は栗ご飯にしよう。


飛田の女の人たちが、今この瞬間もしあわせでありますように。















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