『羆嵐』(くまあらし)
吉村昭/著
新潮文庫



これは大正4年に北海道で実際にあった事件を元にしている。(→三毛別羆事件

あまりに巨大すぎて(?)越冬穴を見つけられなかった「穴持たず」のヒグマが、民家を数回にわたって襲い、7名が死亡、3名が重傷を負った事件です。


あらすじをざっと1000字でまとめてみました。


小さい集落なので、男たちが集まって何とかしようとする→どうにもできず→女子供全員村から避難。近くの村に助けを求める→勇ましい男たちが何十人と集まってくる→猟銃も何十丁と集まる→が、日頃の手入れを怠っていたためうまく作動しなかったり、もともとクマを倒せるほどの技術を持った者がいなかったり。


そのうち第2の被害が勃発→男たち怖じ気づく→ケーサツも頼りにならず→何とかクマを倒さねばならない→でもどうやって……?


強靭な獣の前に何も手立てがない状態で、区長(リーダー)は、ある1つの決断をします。
クマ撃ち専門の老練な猟師/山岡銀四郎
もはや対抗できるのは奴しかいない。銀オヤジを呼ぼう!
しかし、三毛別の人たちにとって、銀四郎はいまわしい存在だった。酒癖が悪く、見境もなく人を殴る、悪態をつく。が、200名余の男たちの集団が、何の役にも立たない事実を目の当たりにし、村人たちも考えを変えます。
もう、銀オヤジしかいねぇ!


待ちに待った銀ちゃん(友達かっ)の登場シーンから、いきなりハードボイルド小説風に。
銀四郎と区長がたった2人でクマのいるところへ向かうシーンは、思わず失禁しそうになるくらいハラハラいたします。(アテントが必要です)


銀四郎の台詞から。

「最初に女を食った羆は、その味になじんで女ばかり食う。男は殺しても食ったりするようなことはしないのだ」
「おれ一人にまかしてくれるといいんだが……。みんなが騒いではとれるものもとれない」



こわっ!いや、カッコイイ!
最後のほうは、もう完全に銀四郎に感情移入してしまって
「銀四郎しかいないじゃん!」「YOUたち、もう銀四郎に任せちゃいなよっ!」
と、イライラしながら読んでました。


ま、要するに
「・・・抱いて。」
ってことです。
(言っときますがクマにではないですよ。) ←当たり前じゃ



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銀四郎に次いで人気投票(当社調べ)第2に輝いたのはなんと!
区長さんです。
ダダダダダダダ・・・・・・・ジャーン!(言う前に鳴らせ)


迷っている猶予などない切迫した状況で、村のために、そして村人の命と生活を守るために、自分のエゴを捨てて適確な判断を下す。
この危機管理能力の高さ! まさに、リーダーの鏡!


誰とは言いませんが、100年に1度の雪害で閉じ込められ、命を消耗している人たちがいることを知りながら、直ちに緊急対策本部も設置せず、あったかい場所でお仲間たちと呑気に天ぷら食べていた人に、リーダーの資格はないでしょうなあ。(危機管理能力ゼロ)











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