『辺境ラジオ』
内田樹×名越康文×西靖/著
140B




内田樹、名越靖文、西靖の三人のラジオトーク番組を書籍化した一冊。
3人の「おばさん的会話」は、読みながらそこに自分も加わっているかのような印象を受ける。なんせ自称:男おばさんの内田先生がいらっしゃいますからね^^


ちなみに「おばさん的会話」とは、話に論理的な一貫性がなく、会話の中のキーワードをフックとしてどんどん話が横にズレたり新たなテーマが派生したり、結論が思わぬ方向に行ったりするような会話を言う。歯に衣着せぬということと、話に脈絡がないということが特徴。(ほっとけ)


おばさん云々…と書いたが、お二人方はものすごく高いレベルの話をしている。
にもかかわらず、高尚すぎるという印象がないのは、私たちと同じ目線で楽しそうに話されているからだと思う。
こういうのが本当の知性、なんだろうなぁ。



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その時々で琴線に触れる箇所は違うと思うけれど、私が付箋をつけたところはココ。
やっぱり原発に関することだ。


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内田 ……ビジネスマンは結局、四半期ベースでしか物事を考えていないんだと思う。3ヶ月先のことくらいしか考えていない。猫と同じで「未来」という概念がなくて、「今」しかないんです。
……ビジネスの損得勘定なら四半期ベースで考えたっていいけど、日本の国土や国民の健康や最終的な日本列島の安全性を考える物差しは、それとは時間のスケールが違うでしょう。100年単位のスケールで考えるべき政策決定を半年とか1年というスケールの損得で判断してほしくない。(p.272)
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グローバル企業は収益を上げることを最優先とするから、極端な話、日本のことなんかどうだっていい。日本国内の失業率が上がろうが、地場の経済がどうなろうが知ったこっちゃない。
悲しいことに日本は、そういう人たちをとにかく優遇するような法改正ばかり進めているし、TPPだってそうだ。ビジネスマンが国益より企業利益を先行するのは致し方ないことだと。


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経済を主軸として考えると、そうなのかもしれない。
いや、資本主義経済か。
何が何でも景気は右肩上がりでなくてはならぬー!みたいな。


かくいう私もつい先日ボーナスを頂きまして、額を見てため息をつき「ああ、就職したての頃は今の倍くらいはもらってたのになぁ」などと思ってしまったのだが(バブルのしっぽを齧っている)
考えてみればあの頃は、お金の使い方もヘタクソで、質も見極めずにバンバン買い物をしていたせいで、今手元に残っているものは何もない。
貯金が貯まらないのは今も昔も同じだけど、今は「どんなに高くても良い物を買う」と決めているので、ことさら財布の紐が固くなったという意識はない。


中にはこういう人間もいるので
「安い」=「消費者が喜ぶ」
という図式を、企業の方もそろそろ改めてみたらどうか、と思う。(生意気な)
デフレだから安くなければ売れないのは当然かもしれないが、すべてを四半期ベースで考えるのはいいことばかりでないような気がする。
安かろう悪かろうではいずれ消費者にそっぽを向かれる。
「良い物は残る」と信じて、今一度踏ん張った見方ができないものだろうか。
まぁその間に、株価が下がって不渡りが出ちゃっちゃしょーがないけどね。


・・・・・と、話が逸脱してしまいました。
これがおばさん的思考、なのです。でも、いいのです(笑)。



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名越 ……9・11の後くらいから、どうせ日本はアメリカの一番最下級の1州に過ぎないというような議論がものすごく盛り上がった時期があったでしょう。僕たちは何一つ世界政治の場面で主体性を発揮できないと、えらく自虐的に語られた。それは今やもう地層として固まったような印象がありますよね。
 そんな先のことを語っていても、中国とアメリカの大国の間に挟まって汲々とその顔色を見ているだけだということは、いつの間にか語られない前提条件になってしまった。それが目先のことだけを追っていればいいという考え方につながっていく。(p.278)
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そうなんだよな。
安倍さんとかを見ていると、外国からどんな目で見られてるかって全然気にしないのかなーと思っちゃう。
こんな狭い日本の国土の一部が、原発事故で居住不可能になって、事故から3年も経つのに今まだ仮設住宅で暮らしてる人たちがいっぱいいて、地震国だから第2、第3の事故が起きる可能性は限りなく高く、原発がなくても電力は足りているともう既に証明されているうえ、原発はコストパフォーマンスが最も悪いエネルギーだとバレているのに、再稼働させようとしてるなんて、インド人もビックリですよ。


狭い世界の中で、先生先生とおだてられていると、自分が世界の王であり法律だ!という風になっちゃうのかな。端から見れば「裸の王様」なんだけど。


私が安倍さんの母親だったら、首根っことっつかまえて「晋三!なんばしよっと!そげなことしてご先祖様に申しないと思わんのか。このバカチンがー!!」と、目ェ覚まさせてやるんだけどなぁ。




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とまぁ、いろいろ思いながら読んでみたのだが、
最後に、内田先生の「『誰と結婚しても幸せになれる』というのが一番上等な能力だ」という言葉と、
名越先生の「ある程度間口が広くて、誰とでもカラオケに行けるような人が、だいたい幸せな結婚生活を送っています」という貴重なお言葉を、世の独身貴族の方々にお伝えして終わりたいと思います。





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